東松寺 東堂 千田実道さんを迎え「法話」を行いました。
ご自身の修行時代のお話を元に生きる事についてお話しをしていただきました。
~ご自身の修行時代のお話~
10代の頃、僧侶になるため水沢のお寺へ行きましたが、学問ができなかったのでお経をよませてもらえなかったそうです。他の修行僧がお経を読んでいる時間、自分だけ文字の勉強を半年間行い、その後、簡単なお経からよませてもらえるようになったということでした。「自分は使い物にならなかった」と当時の事を振返っていました。
ある日、お師匠様に「和尚になるためには、典座(テンゾ)をきちっと覚えなさいそうすれば和尚の末席に座る事が出来る」と言われ、それから6年間ずっと典座(テンゾ)を行いました。典座(テンゾ)とは、お寺の台所仕事のことです。お寺にいる人 全員分の食事を作ります。時には100名以上の食事を作ったそうです!
朝、お経を本堂で修行僧全員で読んだあと、自分だけすぐに台所へ行き、朝ごはんの準備です。食事が済んだら、後片付け⇒昼食の準備⇒昼食⇒片付け⇒夕食の準備⇒夕食⇒片付け⇒翌朝の朝食の下準備・・・これを6年間・・・それと農業を行っていたとのことでした。
最初(10代の頃)は無我夢中で行っていましたが、20代になると、華々しく前に出て仕事を行っている人がうらやましくて、「なぜ俺ばかり・・・!!」とこぼすこともあったそうです。そのたびに「そんなこというな。」とお師匠様に叱られそうです。
お師匠さまは厳格で厳しい方でしたが、細かく丁寧に色々教えてくれました。「常に厳しい人が側にいたので逃げられなかった。しかし、これが修行だ」と思って耐えたとお話していました。ずっと典座をおこなっていた千田さんは、それを認められ、昭和57年から約5年間、典座の指導者として全国各地を回りました。
最後に、修行時代の事を振返って 「やかましく、こわいと思う人が私を育ててくれた。導いてくださった」 とお師匠様に感謝していました。さらに、「”全てに耳を傾ける”これが大事ではないかと思う」と付け加えていました。
嫌な事から逃げずに立ち向かい、その結果、自分を成長させる事ができたお話に、参加者の皆さんは背筋を伸ばして耳を傾けていました。ここにアップしたことは、ほんの一部です。 秋に、また法話を予定しておりますので、是非ご参加下さい。お待ちしております。